他人事ではない子どもの虐待

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子どもが生まれてから、
「自分の考え方が変わったな」と思うことがある。

1つは
「子どもを虐待してしまう人の気持ちがわかる気がする」
ということ。

いきなりこんなことを書くと、ぎょっとされそうだが、

それまでは、「自分の子どもを虐待するなんて信じられない。
私は絶対しない!」と思っていたし、そう断言していた。

しかし・・・いざ子どもが生まれてみると、
寝ないわ、泣きやまないわでイライラし、
夜泣きが連日連夜続いた時にはもうヘトヘトで、

母子密室の中で、孤立感を抱きながら、
「子どもに手をあげてしまうのは、こういう時なんだろうな・・・」と、
自分自身を危うく感じたことが何度かあった。

幸い、自分の気持ちを聞いてくれる人が周りにいたので、
何事も起きなかったが、今でも思う。
「子どもの虐待は決して他人事じゃない」、と。

そう考えるようになってから、
いつか、このテーマで取材をしてみたいと思っていた。

先日、ようやくその機会に恵まれた。

取材を受けてくださったのは、
子どもの虐待防止センターの相談員・広岡智子さん。
『心の目で見る子ども虐待』(草土文化)の著者でもある。

彼女の話の中で印象に残ったのは、

子どもを持ったことで、ふたをしていた過去が引っ張り出され、
親にされたことがよみがえり、暴力をふるってしまう母親たちの話。

親に叩かれたから、子どもを叩いてしまったり、
親に抱いてもらえなかったから、子どもを抱けなかったり――。

その背景は、単純じゃない。

「自分の中の悲しみや痛みに気付き、怒りを持って自分の過去を
振り返ることができれば、子どもに同じことはしないと思う」という
広岡さんの言葉が心に残った。

やはり過去の自分自身ときちんと向き合わなければ、
今ある問題も解決されないのだろうか。

彼女は「子どもが寝た時にかわいかったら大丈夫。
その時に首を絞めようと思ったら相談して」と話していた。

もし、この日記を読んでいる人や、友人・知り合いで、
「これって虐待かも」と悩んでいる人がいれば、
ぜひ、下記の連絡先を知らせて欲しい。

誰かに話を聞いて受けとめてもらうこと。
これが、虐待を止める1つの方法だから・・・。

社会福祉法人 子どもの虐待防止センター
電話相談 03(5300)2990 
月~金曜日:10~17時 土曜日:10~15時