進む地下鉄の「バリアフリー」

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先日、銀座線・溜池山王駅に「バリアフリー便利帳2003」が置いてあった。
営団地下鉄が取り組んできたバリアフリーについて紹介した小冊子で、全60頁。
手のひらサイズで、カバンに入れて持ち歩けるサイズだ。

それを見れば、各駅のエレベーターやエスカレーターの設置状況、
車いすに対応したトイレの有無などがわかるようになっている。

平成12年11月に施行された「交通バリアフリー法」によって、
1日当たりの利用者数が5,000人以上の駅や
相当数の高齢者や身体障がい者の利用が見込まれる駅は
ホームから地上出入口までのエレベーターやエスカレーターの
設置が進められている。

以前から「階段昇降機」を設置している駅も多いが、
あれは駅員の介助が必要だし、機械操作にも時間もかかる。
何よりも利用者が目立ってしまい、「他人の目」で疲れてしまう
高齢者や障がい者は多いのではないだろうか。

「階段昇降機」に比べて設置コストはかかるが、
「エレベーター」の方が、気兼ねすることなく誰もが利用できる。
これが本当のバリアフリーなんだと思う。

ただ、地下鉄の駅のほとんどが道路下に位置していることから、
エレベーターを設置するための地上用地の確保に苦慮しているらしい。
営団も、駅付近のビルオーナーやビルの建築主に協力を求めている。

地上用地やコストの問題はあるが、ぜひ誰もが快適に利用できる
地下鉄を目指して、これからも整備を進めていって欲しい。