祝婚歌に想う

  •  


週末、友人の家へ遊びに行くと、
吉野弘さんの「祝婚歌」が額に飾られていた。

ご家族からの手書きの贈りもののようだ。
その文字と言葉に、やわらかな願いと深い愛を感じた。

この詩は、これから結婚するふたりにはもちろん、
もう何年も一緒にいるカップルにも、
共に何十年も暮らしているご夫婦の心にも響くと思う。



☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆

 祝婚歌

 二人が睦まじくいるためには
 愚かでいるほうがいい
 立派すぎないほうがいい
 立派すぎることは
 長持ちしないことだと気付いているほうがいい

 完璧をめざさないほうがいい
 完璧なんて不自然なことだと
 うそぶいているほうがいい

 二人のうちどちらかが
 ふざけているほうがいい
 ずっこけているほうがいい

 互いに非難することがあっても
 非難できる資格が自分にあったかどうか
 あとで疑わしくなるほうがいい

 正しいことを言うときは
 少しひかえめにするほうがいい
 正しいことを言うときは
 相手を傷つけやすいものだと
 気付いているほうがいい

 立派でありたいとか
 正しくありたいとかいう
 無理な緊張には
 色目を使わず
 ゆったり ゆたかに
 光を浴びているほうがいい

 健康で風に吹かれながら
 生きていることのなつかしさに
 ふと胸が熱くなる
 そんな日があってもいい

 そして
 なぜ胸が熱くなるのか
 黙っていても
 二人にはわかるのであってほしい

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆


わが家で、ふざけているのは夫。
ずっこけているのは私。

「非難できる資格」なんて言われると、
これっぽっちもない気がするが、

それでも、お互いに思っていることをぶつけ合い、
傷つけ合うこともある。

「少しひかえめに」というのは、私の課題かな。

こんな夫婦でも良いのかも・・・しれない?