「災害を体験した子どもの心のケア」(PDF)と「大人のケア」について

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「東日本大震災」が発生してから、
1カ月を迎えようとしています。

今日は、地震が起きた午後2時46分に合わせて、
黙とうしたいと思っています。

(その時間は、1カ月前と同じように、
東海道線に乗っていると思うのですが…)

さて、先日、臨床心理学や災害臨床心理学をご専門とする
武蔵野大学・人間関係学部の藤森和美教授より、

「災害を体験した子どもの心のケア」
という小冊子(PDF)をお送りいただました。

藤森教授には昨年、
宮崎県等で口蹄疫が発生した際、

畜産農家向けに、
「心と身体を健康に保つためのポイント」
について取材をさせていただきました。

今回、「災害を体験した子どもの心のケア」を
まとめられたそうなので、ご紹介させていただきます。

(以下をダウンロードし、ご自由に転送してください)

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わが家について言えば…

地震直後は、息子(6歳)が朝方、私がベッドの横にいないと、
「お母さんがいない…」と大泣きして起きてきたり、

いつもはしない、おねしょをしたり、
ということがありました。

私が地震の日に、きちんと連絡が取れず、
家へ帰れなかったこと、

地震発生の後は、節電のため、
暖房を切っていたので、体が冷えたのかもしれません。

また、ライトをすべて消して真っ暗の中で寝るようにしたので、
こわかったのかもしれません。

なので、数日間は、夫か私が必ず横で一緒に寝たり、
湯たんぽを足元に入れて寝るようにしたら、
息子は落ち着きました。

まだ、余震が続いています。
先週の余震は大きくて、パッと目が覚めました。

被災地のお子さんたちが、安心して毎日を過ごせるように
心からお祈りしています。

それから…

今回の地震では、藤森教授に、
帝京平成大学・健康メディカル学部
臨床心理学科の松浦准教授をご紹介いただき、
「心のケア」について取材をさせていただきました。

すでに実践されている方も多いと思うのですが、

テレビで津波や地震の映像を何度も見ないように
した方が良いそうです。

被災時の精神的な苦痛が思い出され、
症状が悪化しやすいからです。

特に、お子さんがいる方は意識したいですね。

ストレスが高まった時には、
ゆっくりした呼吸がお勧めだそうです。

ストローをくわえるように細く長く息を吐き、
吐ききる前に息を吸い込みます。
吐く息に意識を向けることがポイントです。

それから、過呼吸の発作が起きた方も
いらっしゃると思います。

過呼吸は呼吸が浅く速くなり、
呼吸のリズムが狂い、息の吸い過ぎが原因となって起こりますが、

呼吸のリズムを取り戻すには、「息を止めれば良い」そうです。
一度、呼吸を止めることで呼吸のリズムが取り戻しやすくなるからです。

以前は、紙袋を口にあてて、袋の中で呼吸をするのが良いと
されていましたが、最近は上記の方法を紹介する医師が多いのだとか。

過呼吸はとっても苦しいですが、それで亡くなることはないため、

周りの人は慌てず、手を使いながらゆっくりと呼吸を誘導し、
気持ちを落ち着かせるサポートをすると良いそうです。

「東日本大震災」発生から1カ月。

被災してから1カ月以内に出る不眠や
災害の場面を思い出すフラッシュバックなどは
ASD(急性ストレス障害)あるいはASR(急性ストレス反応)と呼ばれ、
自然な反応だそうです。

ただ、そうしたストレス反応が1カ月以上続く場合は
PTSD(外傷後ストレス障害)と呼ばれ、医療が必要になるようです。

心と体のケアについて、専門家と協力しながら、
取り組んでいく必要がありそうですね。