企業は社会の一員

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母と子の自然教室 30周年記念フォーラム「未来をまもる、未来をつくる」
を聴きに、有楽町の朝日ホールへ行ってきた。

「母と子の自然教室」とは、三菱商事がおこなっている社会貢献活動の1つで、
毎年夏休みに、東京都内に住むひとり親家庭(東京都では母子家庭のことを
こう呼んでいる)を招待し、社員ボランティアとともに、自然の中で過ごすと
いうプログラムだ。

1974年から始まり、この30年間で参加者はなんと1万5,000人にも上ったという。

このフォーラムは、金八先生のシナリオを書いた脚本家・小山内美江子さん
による「私の子育て、親育て」という基調講演から始まり、
写真家・管洋志さんが撮影した「自然教室」の写真をスライド上映、
最後に、「ともに育つ~子育てを地域・社会でどう支えるか~」という
シンポジウムがおこなわれた。

なかでも印象的だったのは、管洋志さんがとった写真。

クワガタを手に笑っている女の子。おにぎりをほおばっている男の子。
採りたての新鮮な茄子。のどかな田舎町の風景・・・

今にも動き出しそうな写真から、ものすごいエネルギーが感じられた。
(映像の力ってすごい!)

この自然教室に参加したと思われる母親は、スライドの画面が変わるたびに
「あ、○○ちゃんだ」「これも、面白かったね」「暑かったよね」と大興奮。
スライドが終わる頃、そのお母さんの目には涙がたまっていた。

シングルマザーの中には、仕事のため、なかなか子どもと過ごす時間が
取れないという人もいるだろう。あるいは、父親と母親の両方の役割を果たさ
なければと、ガンバリ過ぎてしまう人もいるかもしれない。

そうした人たちにとってこのプログラムは、気持ちをリフレッシュできる場であると
同時に、子どもときっちり向き合う場であったり、同じ立場の母親同士、
本音を話し合える場だったりするのだろう。

企業の社会貢献活動は、社会の一員としての責任。
ぜひともこうした活動は、末永く続けていって欲しいと心から思う。