お世話になっている編集者さんから、
自死遺族(自殺をした人の遺族)のケアについて
取材をお願いできないか、という電話があった。
心が突き刺されるような、とても重い題材だ。
残念ながら、今は毎月決まった仕事があるため、
引き受けることができなかったが、
「いかに生きるか」「いかに死ぬか」
というのは、私の中に大きなテーマとしてある。
その電話の中で初めて
「エンゼルメイク」(エンジェルメイク)という言葉を知った。
エンゼルメイクとは、一言でいえば「死化粧」のこと。
最期の顔を大切に考え、その人らしい容貌に整えることは、
亡くなった方に対する最後のケア、という考え方がある。
病院では看護師さんがそのケアを行うことが多いが、
遺族も何らかの形でかかわると、
それが「看取りの時間」へと変化していくという。
私自身、自宅で母が亡くなった時に、
母の顔に彼女の化粧道具を使って、
生前の頃のような薄化粧をした。
悲しいながらも、とても穏やかな時間だった。
母の「最期の顔」を娘の自分がメイクできたことは、
今でも私の誇りだ。
いつかは私も死ぬ。
その時は、ぜひ薄化粧で・・・。