世田谷美術館には、展示してある絵画や彫刻などの作品を見て、
そこから感じ取ったことを、音や動きを伴ったパフォーマンスで
あらわすという、異色のワークショップがある。
そのドキュメンタリー写真を撮り続けているのが、
馬場菜穂さん。
彼女は3年ほど前、私に『PHaT PHOTO』という写真教室に通う
きっかけをくれた女性だ。
この土曜日、家族で彼女の写真展を見に行った。
タイトルは
「誰もいない美術館で アートとボクらが踊るとき」。
作品を見て、感じ取ったことをその場で表現するなんて、
なんて面白いワークショップなのだろう。
そして、その一瞬一瞬をカメラで捉える醍醐味。
写真にうつっている人たちは皆、お互い初対面だというが、
なぜか一体感がある。表情は自然で、カメラがあることを感じさせない。
彼女の写真をじーっと眺めていたら、
「もっと、その時うつした写真を見たい」
「その時の“音”が聞きたい」という衝動に駆られた。
すぐに館内のミュージアムショップへ行き、
同ワークショップの歩みをまとめた「写真記録集」を購入。
そこから、作品と対話をしている人々の熱気を感じ取った。
このワークショップをうつした彼女の写真は、
絵や美術は「左脳」で分析するものではなく、
「右脳」で感じるものだと教えてくれる。
今月21(土)まで開催しているこの写真展。
緑豊かな砧公園を散歩しながら、
世田谷美術館へ行ってみてはいかがですか?