絵手紙がくれた「ご縁」

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今週締め切りだった原稿は、
「絵手紙」について。

絵手紙とは、「絵」に「言葉」を添えた手紙のこと。
中高年を中心にブームが続いている。

初めて「絵手紙」を知ったのは数年前、
デイサービス(*)でアルバイトをしていた時だった。

(*)介護が必要な高齢者に、送迎、入浴、食事、レクリエーション
 などのサービスを提供するところ

当時、高齢者の皆さんが楽しそうに絵を描き、
言葉を書いている姿を見て、
「なんだか面白そうだな」と思って眺めていた。

そこで! 

暑中見舞いの季節が近づいて来たので、
記事として取り上げてみることにした。

今回取材させていただいたのは、
人気絵手紙作家の花城祐子(さちこ)さん。
多くの絵手紙教室で講師を務めている。

花城さんが絵手紙を始めたのは昭和59年のこと。
夫の転勤のため九州へ移った時、
東京に独り残してきた母に書いたのがきっかけだった。

それから、毎日母に絵手紙を書き、送ったという花城さん。

その2年後には息子さんの高校受験のため、
夫を残し、3人の子どもを連れて東京へ。
今度は、夫に毎日絵手紙を書く生活に。

母と夫に出した絵手紙の日数は800日を超えるそう。
相手を想って毎日書くなんて、すごい。すごすぎる。
本物の「愛」に感動し、日々の自分をちょっと反省した。

考えてみれば、家族への手紙をきっかけに、
今、絵手紙作家になっているなんて。
人生というのは、どこに転機があるかわからない。
本当に面白いものだと思う。

取材が終わったあと、早速絵手紙セットをネットで購入。

筆と青墨(習字の墨より淡い色合い)、
顔彩(日本画の絵の具の一種)を使ってお礼状を書いた。

その後、すぐに「絵手紙」で返信をいただいた。
これにも感激。絵手紙って、ホントぬくもりのある手紙だな。

で、ここからがビックリ。

夫に「絵手紙って知ってる? 取材させていただいた方に、
絵手紙でお礼状書こうと思っているの」と言って、
花城さんの著書を見せると、

「絵手紙? ・・・ってその人、花城のお母さんだよ!」と一言。

な、なんと、私も何度もお会いしている
夫の友人のお母様だった。

こんなこともあるんだなあ。
絵手紙がくれたご縁に感謝。